クローバー



「多分貧血だろうって…でも念のために検査するって」



「そうですか…」



まだ頭がぼぅーとしていた



「茜…心配したんだからね」



「うん…ごめんなさい」



お母さんが今にも泣き出してしまいそうだった



「ふぅ。んじゃ先生帰るわね」



「あッ…はい」



起き上がろうとした



「あ…寝てた方がいいわよ。まだ血が足りないんだから」



先生に阻止された



「何から何まですみません」



「いいのよ。これが仕事なんだから」



そう言うと先生は優しく微笑んだ



それからお母さんに挨拶して帰って行った



「まだ検査の結果でないらしいからもう少し寝てなさい」



「うん…」



そしてあたしは瞼を閉じた




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