クローバー



「茜がそうしたいなら…」



「えっ…いいの?」



「あなた!!先生にダメって。茜も野球しないって言ったじゃない」



お母さんがひとしきり言い終わった後、静かになった



「でもみんな…一生懸命甲子園に向けて頑張ってる。あたし、逃げたくない!!病気からも野球からも」



「茜!!あなた…正気なの?野球だけじゃない、激しい運動はあたなの命と……あっあなた…」



お母さんが話し終わる前にお父さんが制止した



「美弥子止めなさい。これは茜の人生だ。私たちが決めるものではないよ。」



お母さんが下を向いて涙を零している



その涙の原因を作ってしまったことに罪悪感を感じる



「でもね…これだけは言っとく。俺たちはお前を心配して言ってるんだぞ。」



「うん、分かってる。だからね……?」





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