3月1日【短編/企】
「あ……あれ?」
上を見上げると、
金色に輝く下弦の月。
さっきまでの太陽はどこかに消えてしまったみたいだ。
「啓一?」
そして今まで感じていたはずの
彼の温もりもきれいさっぱり消えていた。
「……夢………?」
そのとき
はらり、と何かが髪から滑り落ちた。
ひらひら舞うそれを見て
私は息を呑む。
「桜だ……」
しかも、私の服にだけ数えきれないほどの花びらが付いていた。
そこだけ、満開の桜が降ったみたいに。