3月1日【短編/企】
「夢じゃ、ない……?」
高校生の啓一も、彼と交わした言葉も、全部。
私、もしかして過去にタイムスリップしてた…?
そのとき、近くからカサッと草を踏み締める音が聞こえた。
「……紅子」
振り向くと、
そこには啓一がいた。
「啓一……?
あれ、今度は本物?」
私の台詞と呆然とした様子に、啓一は少し顔をしかめた。
「え?うそ、本当に?」
私が一人混乱していると、彼は私の腕を掴んだ。
それにビクリと身体が震える。