原石のシンデレラ
その言葉を聞いて、ぷしゅう……と風船の空気が抜けていくように、私の身体は力が抜けていった。


「……僕は雪詩さんが振り向くまで、待つつもりでしたから」


力が抜けてよろけると、支えながら炉惟さんは真剣な表情で私を見つめた。


ーーその瞳が、とても澄んでいた。


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