原石のシンデレラ
「……あ、ありがとうございます」

俯き気味に呟く私に、炉惟は優しく微笑んで答えた。


「――雪詩さん、お疲れでしょう。今日は此処に泊まると良いですよ」


――確かに色々とあり過ぎて、肉体的にも精神的にも疲れている。


……けれど、きっと炉惟の方が、もっと疲れてるに違いないのに――。


そんな炉惟のさり気ない優しさに、私は甘えることにした。


「……お言葉に甘えて、そうします」



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