原石のシンデレラ
「全く、潜る癖は昔からだな」


「そんなことより、何でお兄ちゃんが、私の家に泊まっている訳?」


むぅ…と、頬を膨らませて目を細める雪詩の頬を冬真はツンツンとつつきながら昨日の出来事について語りだした――。



「――覚えてないのか?泣き疲れて、眠ってしまった雪詩を布団に寝かせて――。それに、コッソリ帰ろうとすると俺の服の裾を掴んで離してくれなかったんだぜ〜」


「うぅ…、覚えてない」


「――まぁ、仕方ないさ。寝ぼけてやったことだもんな。…それに俺も、その後で寝ちゃったしな〜…俺はこれから仕事だから1度自分のアパートに戻るよ。……ちゅ」


――そう言って、雪詩の前髪をかきあげると、冬真は額に唇を押し当ててキスをした。


「――うん。いってらっしゃい」


冬真が帰るのを見送った後、自分も仕事の用意をし始めた。



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