原石のシンデレラ
―――チュンチュン…チュンチュン。


うっすらと目を開けると、いつも見慣れている天井が視界に広がった。


《――コンコン。》


ノックする音が聞こえて、炉惟は首を横に動かし、『はい』と短く返事をした。


ガチャ――。「坊ちゃま、朝食の用意が出来ました」


控えめに開けたドアから、メイドの木崎の声がして、炉惟は頷きながら答えた。


「わかりました。着替えを済ませたら、すぐに向かいます」


「……わかりました。旦那様と奥様にお伝えしておきます」


そう言うと、パタン…と静かにドアが閉められると、シーン…と部屋中に静寂が広がる。


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