『ずるいヒト。』

暫く考えていたら、

「ねぇ…貴方、私を買わない?」

そう一言、耳元で囁かれた。

あぁ…………彼女は…










娼婦なのか。

だから…獲物となる男を見付ける為に、此処に居たのか。

妙に納得してしまった。

自分の中にまるで、傍観者でも居るかのようだった。

「ねぇ、どう?」

僕は、獲物になったんだ。

甘く囁く彼女に、自然と躯は動いていた。

彼女は、僕にそっと寄り添った。











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