『ずるいヒト。』

「ふふっ…緊張してるの?あぁ、こんなおばさんに話し掛けられたからよね」

気さくに話す彼女は、誰から見ても魅惑的だった。
彼女の動作ひとつひとつに心は奪われて行った。

「いえ。僕は…そんなこと思ってません。ただ、綺麗な方だな…と」

口ごもるように云う僕は、相当恥ずかしさを堪えている。

「ふふっ、ありがとう。いい子なのね」

僕を子供扱いするように、頭を撫でる彼女に、不信感を抱いた。

何故彼女は、此処に居るのか…と。









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