プラスのちマイナスのちプラス(仮)
そう言った瞬間、私の体は柔らかく包まれた。
「問題ないよ。素直なままに生きてる凛ちゃんが好きなんだから」
また耳元で囁かれる。
前にもこんなことあったな。
「ねぇ凛ちゃん?」
佐藤奏が耳元で話し続ける。
「なに」
「俺って凛ちゃんの彼氏?」
「…うん」
ストレートな言葉に胸が高まる。
「じゃあ、名前で呼んで?」
体を離すと子犬のような甘えた顔で私を見てくる。
「前に1回だけ、寝ぼけてた時に奏って言ってくれたでしょ?」
「…………」
私がためらっていると上目使いで私を見つめる。
「お願いだよ。…だめ?」
だめなんて言えるわけがない。
仕方ないから私は諦めた。