気まぐれ探偵はお嫌いですか?
「だって、僕の好物を当てたじゃないか!お菓子の中でもチョコレートが一番好きなんだ!」


「は?」


これは、推理と言うより偶然当てただけなのだろう。


私は、この男の好物なんか知らない。


ただポケットに入ってたのがチョコレートというだけだ。


だが男は上機嫌のままチョコレートを口に運ぶと私に笑顔を向けてきた。


「推理小説家なら、部屋に入っていくと良い。僕は探偵だからね。小説の良い題材になるだろう。」


ジャージでボサボサ頭の探偵が小説の良い題材になるかどうかは知らないが、家の中は気になる。


「じゃあ、お邪魔させてもらいます。」


「どうぞ。」


男の人にドアを開けてもらい私は、男の家に入って行った。
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