スターフィッシュ‼︎
ちなみにその声の主は、さっきのラジオ番組に立ち会っていた業界人っぽい人だった。
「や、俺はSTARFISHがありますから」
「だよね。そうだよね。うん、確かに君のバンドは中々良いと思うよ。メジャーデビューもできるかもしれない。
……でも本物のスターになれる人間っていうのは本当に一握りだ」
「…………」
「南くんにはその素質があると僕は思っている。しかも調べたところ、君ってあのディビット・ローレルの孫らしいじゃないか」
「あ、そうですが……」
「僕アメリカに留学していたことあって、ディビットのベースプレイ見たことあるよ。すごいベーシストだよね。
ああそっか、君はその血を受け継いでるんだな、って思った。
しかもアメリカデビューできたらおじいさんも喜んでくれるんじゃないかな? ね、考えてくれるかな?」
「……は、はい」
そっか、王子のおじいさんって
アメリカでジャズベーシストやってるんだっけ。
「じゃあ、これ資料だから。連絡待ってるね~」
あ、やばいっ。
会話が終わったようだ。
あたしは急いでそこから離れようとした。