だからこそ、キミは。



雨で制服も、髪も、靴下も、上履きも。

全部が濡れてゆく。



もう、濡れてない面はないんじゃないかってぐらい、深く、広く。



あの時私を守ってくれた傘は、もういない。




『……もう、やだ。』



こんな自分、嫌い。


自分を誤魔化すのが、一番良い方法だと思っていたのに。


適当にあしらって、みんなにニコニコしてれば、1人になることはないと思っていたのに。



我慢して、
耐えて、
笑いたくない時も無理して笑って、



それは全部、無意味なことだったの?




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