だからこそ、キミは。
―…友情って、難しい。
一生懸命壊れないように築いてきた砂の城も、なにかあればすぐに壊れてしまう。
…壊れてしまうなんて、わかっていたのに。
それでも築いていこうとしたのは、なぜ?
「……うわっ!」
それは、私にとっては救世主のように見えた。
誰でも、いいから。
人の温もりに触れて、不確かな人というものを信じたくて。
たとえそれが、素っ気なくて、意地悪で、無表情なあの人でも。
佑くん、じゃなくても。
とりあえず、誰かに助けてもらいたかった。