だからこそ、キミは。
「…ん。よろしく。」
返ってきたものは案外普通で、私は拍子抜けしてしまったのかもしれない。
『へっ…?』
しばらく記憶の底へと思考をワープさせてた私には、いきなりの現実に思考が間に合わなくて。
思いっきり、場違いな声を出してしまう。
『あ、えっと。ありがとう…っ』
とりあえず、不可解な漏らしてしまった声をごまかしたくて。
それっぽい言葉を選び、口にしておく。
佑くんは特に変な顔をしたりしなかったから、間違ってなかったのだと、なんだかホッとした。