だからこそ、キミは。
“本当?”
そんな言葉が胸をよぎって口に紡がれそうになったけど、息を呑んだだけで止めた。
きっと先生は嘘をついている。
わかっていて、聞かなかった。
『……。』
だって、その指輪が物語っているでしょ?
そんなに大切そうに。割れ物みたいに指先で隠して。
大体彼女がいないなら、指輪をつけているわけがないじゃない。
「…別に、信じなくてもいいけど。」
先生は、私の気持ちを見透かしているようだった。