だからこそ、キミは。



『な、なんでもない…!』



私ったら、何を考えているんだろう。


せっかく、先生と2人っきりなのに。
そんな時間は、限られているのに。


ボーっとしていたら、勿体無いじゃない。




『……っ。』



それでも、頭には良からぬ思考が巡り回って。



先生が放課後学校にいない時、何をしているのか怖い。


先生には、私ではない他に帰る場所があって。

その目も、指も、腕も、他の誰かのものになっていそうで怖いの。



―…こんなことを考えるようになったのは、あの日からだ。



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