だからこそ、キミは。



愛って、きっとね。

無条件に優しさを与えられることだと思うんだ。



―…だから私は、きっと先生に愛されていた。



『……っ』



思わず頬に、涙が伝った。



優しい温もりを、すぐ側に感じて。

理恵さんの、声にならない声が聞こえる。



私は無我夢中に、その優しさに応えるように、その腕を抱きしめていた。





「…ありがとうな。」




―――…先生。


あなたは最後の最後まで、優しすぎる。


こんな風に抱きしめられたら、私は一生先生を忘れられないじゃない。



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