だからこそ、キミは。
どこだかもわからない壁に寄っかかり、無気力にしゃがみ込む私。
雨が、冷たい。
私の髪を少しずつ、だけど確実に濡らしていく。
それさえ気持ちがいいと思う私は、結構末期みたいだ。
『……。』
――例えば、さ。
この空が急に晴れ渡って太陽が差し込んだなら、私はなにを思うんだろう。
この気まぐれな晴れを、私は素直に喜べる?
佑くんが走って駆け寄ってきて、「嘘だよ」って微笑んでくれれば。
私は明るく、その冗談に微笑んであげることができるのだろうか。