君に裁きの鉄槌を









『僕今日は部活いけないから。』






今日は花恋と2人で日直だったので、みんながいなくなった後に話しかける。
花恋にそれだけ伝えると、少し寂しそうな顔をする。






澤「み、岬…ッ」

『なあに?』

澤「岬って…彼女とかいるの?」

『彼女はいないよ。でも…』









『大切な人は、いる』









穏やかに、誰かの顔を思い浮かべて微笑むような表情を浮かべ微笑む。

すると、花恋は固まり凍りつく。






澤「だれ…その大切な人って…」

『クスッ…誰だろうね…』

澤「優子?」

『え?』

澤「優子が好きだからメイクとかしたの?
  だから優子って呼んだの?
  何であんな子がいいのあんなメイクの仕方も分からないようなメイクしてなきゃだめなようなあんな子に惹かれるなんて何で」

『…その発言は良くないな』

澤「……?」

『メイクって言うのは自分がもっと可愛くなるために彩るものだよ。
 その努力を馬鹿にするような発言は良くない』

澤「…ッ」

『じゃあ僕は帰るから。秋本君によろしく伝えといて』









後ろ手に手を振り教室を後にする。




口元に浮かぶ妖笑を抑えずに歩き出す。




多奈川優子…








君の明日はなくなったようだ









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