辻斬り

駐在所に入ると、二人は雑居室に寝袋を敷いた。
布団も置かれていたが、かび臭くてとても使えたものじゃない代物だった。
壁に張られたカレンダーは１９７８年１２月を記していた。
荒らされた跡は特に無く、廃墟マニアが見れば飛び上がって喜びそうな光景だ。

引き出しには警察手帳が置かれていた。

ここに駐在していた者のそれだとすぐに分かった。
灘はそばに置かれていた日誌に目をやった。
いくつかページをめくってみる。