辻斬り
こんな俺でも、何もかも失った俺でも、拾ってくれる場所があったことにうれしくてとにかく泣きじゃくった。
涙で濡らした採用通知は、今も彼の財布の中にお守りとしてある。
やり直せるなら――彼の新たな信念が込められた、大事なお守りだ。
鴻上はこの一年という歳月に素直に感謝していた。
会社がどんな過酷な仕事を彼に命令しても、彼は嫌な顔ひとつしなかった。
もともと仕事という名のつくものが好きだから、苦にはならない。
ただこの仕事で唯一不満をあげろと言われれば、待ち時間が暇なことぐらいだ。
涙で濡らした採用通知は、今も彼の財布の中にお守りとしてある。
やり直せるなら――彼の新たな信念が込められた、大事なお守りだ。
鴻上はこの一年という歳月に素直に感謝していた。
会社がどんな過酷な仕事を彼に命令しても、彼は嫌な顔ひとつしなかった。
もともと仕事という名のつくものが好きだから、苦にはならない。
ただこの仕事で唯一不満をあげろと言われれば、待ち時間が暇なことぐらいだ。