辻斬り
「いってー……ち、派手にぶっつけやがって。殺す気か?」

囚人番号456番、赤田洋二はぶつけた頭を抱えながらかろうじて生きている警官の方に近寄ると、してやったりの顔を浮かべた。
警官の腰に装備されていた拳銃を取り出すと、虫の息の男にそれを向けたのだ。

「…馬鹿だよなあ、あんたも。注意一秒事故の元、ゆっくり走ろう交通安全。まあ戒めついでにあれだ——死んでくれよ」

首を掴むと一気に喉元を押しつぶす。
喀血があったが、赤田の方までに返り血が飛ぶことはなかった。
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