俺と彼女と、ご主人様。【BL】
「……何ですか、これ」
「?何がですか?」
頭を掴まれる事で正気に返ったらしい
島津さんが不思議そうに尋ね返す。
「髪の毛痛んでるとか嘘でしょ?!」
「まあ、大分マシになりましたけど」
それがどうかしたんですか。と言われた。
いや、どうかしてるよ!
どうかしてるよ、この髪の毛!
「え、ちょ、何ですかこの髪質!
シャンプーどんなの使ってるんですか?
柔軟剤使ってるでしょー!」
何この、驚きの柔らかさ!
俺と同じ人間だとは思えない。
思わず撫でまくってしまう。
「リンスインシャンプーですよ。
人体に柔軟剤使えませんからね」
リンス別でさえ無いのか!
「俺の知ってる人間の中で
1番の手触りの良さですよ島津さん!」
「それはどうも、ありがとうございます」
「もっと誇ればいいと思いますよ!」
そんなやりとりをしていると、
お姉さんが口を挟む。
「……あれ、ひょっとして広人君、
アンナの触り心地が好きなの?」
「それもありますけど、
見た目も勿論中身も好きです!」
でも確かに、あの被毛の
手触りは大きいかもしれない。