人魚姫の嘘


私は打った頭を押さえつつ
人を覗きこむ


端麗な顔をした
男の人だ


気絶している。


「早く海の上に出ないと!!」


男の人の腹に腕を回し
グイッと持ち上げる


ザバッ!!


丁度木の板が浮かんでいた
男の人を板に乗せ


とにかく船から離れた
ところに……


砂浜へ向かって板を押し続けた




―これが出会い。




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