人魚姫の嘘
隙間から二人のやり取りを
見ているだけ…
だって…足がすくんで
………怖い。動けない。
彼がゆっくりと
ドアノブに手をかけた
「あの…サラ様よりも
わたしが殺しましょうか?」
「大丈夫よ、さぁ開けて」
彼はガチャと扉を開けると
サラが勢いよく入り
一発。
また一発。
合計二発の拳銃の音がした
……あ…ああ…今ので…
私が今見ている
悪魔の舞台がいっそ
夢ならば…。と。
何度願ったことか…