人魚姫の嘘


隙間から二人のやり取りを
見ているだけ…


だって…足がすくんで




………怖い。動けない。




彼がゆっくりと
ドアノブに手をかけた



「あの…サラ様よりも
わたしが殺しましょうか?」


「大丈夫よ、さぁ開けて」



彼はガチャと扉を開けると
サラが勢いよく入り




一発。



また一発。




合計二発の拳銃の音がした




……あ…ああ…今ので…




私が今見ている
悪魔の舞台がいっそ
夢ならば…。と。



何度願ったことか…



< 52 / 160 >

この作品をシェア

pagetop