Dear.
「 はっ・・・・ッ 」
病院のベッドの上。
間をおいて襲ってくる痛みは
段々、増している気がする。
「 龍、今向ってるからね? 」
「 ・・・大丈夫・・ですよ 」
痛みが少し和らぐと、
少しは会話もできて、
強く握った拳からは血が滲んでいて
紫さんが慌ててハンカチを握らせてくれた。
「 どう?想像と現実とは違うでしょ? 」
「 ・・・正直、あまく見てました 」
あたしが笑うと、額の汗を拭きながら
”でしょ?”って笑ってくれて
確かに痛いのに、怖いのに、
紫さんが落ち着かせてくれて
焦りだとか、そういうのはなかった。