Dear.




「 家だからよかったけど
  他の奴に見せたくない 」




頭を小突かれて、少し赤くなった
龍弥の顔を見ていたら
視界が真っ暗になった。





「 ・・・停電? 」


「 静かにしてろ 」





妙に、低い声を出した龍弥は
あたしをぎゅっと抱きしめて





「 海、楓?出て来い 」


「 えぇっ!?何で!? 」


「 お前等分かりやすいんだよ 」





龍弥が腕をはなして
あたしから離れると
”ゴスッ”とか”バキッ”とか
鈍い音が響いた。





「 紫さっ・・ゲホッ・・電話くれたんスよ! 」


「 知るかっ! 」





どうやら蹴りを入れられたらしい
海くんは咳き込んでいて、
・・・・笑っていた。






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