シニユカバ・スーパーソニック

「マッハ……辺りに人とかは？」
「特にいなかったよ」
「……他になんか転がっちゃいなかったか？」
「いや、やっぱ、そんだけみたい」
マッハの声は先ほどよりも穏やかになっていた。辺りに人影がないか見てきたマッハは缶コーヒーを土産にバスケットコートへと戻ってきた。ピカイチたちはバスケットコートの隅で車座になって座っていた。
「――無論このコーヒーは？」
「ケッてきた！」
マッハはスマイルに聞かれて笑顔でそう返した。まったく、とは思いながらもいつもながらの見事な手際に感心していた。