俺様☆姫様★王子様 3


「………そうだっけ?」


「は?」


手首を掴んだまま、カインが俯く。


そうだっけって何?
知ってるじゃん。


っていうか、今更知りませんでしたなんて通用しないんだからね。


このままじゃカインにやられっぱなし……。


「………………ダヨ」


え?

声が小さすぎて聞こえない。


なに?


「……………ってんだよ」


「カイン?聞こえな…」


「兄貴がなんだってんだよ!俺の邪魔ばっかしやがって!あんたもどうせ捨てられちまうんだよっ。アイツはそう言うヤツなんだっ。今だって連絡来ないんだろっ」



「……………」



図星。


グサッと突き刺さった。

それは凄く凄く尖って、鋭く抜けない槍のように。


生温くて心地の悪い潮風があたしとカインの間をすり抜けていった。













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