俺様☆姫様★王子様 3

そうだよ!

あたしのがお姉様なんだから、言いなりになる必要ないんだよね!


よしっ!

この腕振り払って逃走してやるんだ。







「………」



あれ?



抜けない;

意外と力強いんだね。



体に絡み付いたカインの腕をほどこうと、もごもごともがく、あたし。





「なにやってんの?」


耳元で声が…。


「もしかして、逃げようとか思ってる?」


図星。


「いやぁ…そんな、」


「無駄だよ?だって外は、ほら」


絡んでる手の片方だけ離して、入り口のすき間を指す。



雨が激しく降っている。



「だだだだっ、誰が逃げるって?そんな訳無いじゃなぁい!はは……」



その時、空が明るくなった。


と同時に、バリバリと大きな音をたてた雷。


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