四葉のクローバー
「じゃあ、お祝いかねて
 おいしいものでも
 食べに行こう!」

二人は食事をしながら希の前の彼女の
話をしていた。

「こうやって、思い出して話せる
 ようになれれば忘れた証拠かな?」

「忘れられたの?思い出さないの?」

「それがさ!みんなと住み始めてから
 忘れてるんだよね。
 っていうか
 思い出さないんだよな、不思議と。
 そうやって少しずつ
 忘れていくんだよな、きっと。
 今はつらくても
 次はきっと大丈夫!
 夢ちゃんのよさは俺が保証するよ!
 だから頑張れ!今は自分のために。
 好きな人ができたら
 好きな人のために
 家族ができたら、家族のために!
 って、今の言葉
 神崎さんに言われたんだ!
 で、救われたっていうか
 励みになったっていうか
 その時、神崎さんに会って
 良かったってホント思えて・・。」
 
「いいな、神崎さん。
 私も心に刻んでラスト十代!
 頑張るね!
 ありがとう!私の救世主!」 

二人は終始楽しそうにし
そしてマンションへ帰った。

すると慎とサエの荷物はなくなり
出て行った後だった。

テーブルには
“ありがとう”
それだけが書かれた
紙だけが残されていた。

夢はその紙を取り
丸めてゴミ箱に捨てた。


《“ありがとう”か~・・
  よし!頑張ろう!  》
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