わがままいって困らせて【短】
「さ、咲!」
どうしたんだよ…と琉が焦ってる。
なぜなら、あたしが泣いてるから。
何にもないと言ったのに、泣いちゃだめだ
「咲、おいで、屋上行こう?」
黙って頷くといつもみたいに手を引かれ、あたしを屋上へ連れ出した。
泣いちゃダメだ…。
泣いちゃいけないのに…。
「咲?どうしたの?」
「ごめんなさい」
「咲、言ってくれなきゃわからないよ。」
「……っ、琉が、ゆりちゃんと、いたから…、違う、ごめんなさい」
こんなこと言いたいんじゃないのに
言いたいことは、たくさん胸にたまっているのに、どうして言葉にできないの
はっきり言えない。なにも伝えられない
琉はずっと困ってる
「ほんと何にもないから」
「いいたくないなら、もういい。」
「……っ」
一言そういって、琉は屋上から出ていってしまった
こういうときに、わがままになれない
.