愛のカタチ


じゃあまた、と仁史さんという人と別れ歩き出す。

「…どうして否定しないんですか?」

「何が??」

だから。

「彼女じゃないって。」

そして耳に入るその言葉。

「別にいいだろ。
こうだし。」

繋がった手に視線を向けながら力を込めてくる。

「でも…。」

見上げた瀬戸さんの表情は、いいからいいからと言っている。

本当にいいのかな?

でも、そういう報告もオカシイよね。

『彼女じゃないよ。
身体だけの関係。』

そう言われたら、あの人…いや誰でもかなり驚くよね。

子供みたいだけど、やっぱり瀬戸さんは大人なんだ。



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