シンアイ〜彼と私に神の御加護を〜【完】
―――教室に入ると、教室内が静かになった。



「おは…よう?」



私はみんなに声を掛けると、ゆっこを見てから目を伏せた。

ゆっこを見れば、携帯を片手に私たちを見てる。

颯太は「何だお前ら」と、ちょっと不機嫌になりながらマフラーを外してる。



「ゆっこ……ちょっと良い?」



私はゆっこに近付いた。

話したかっただけなのに、ゆっこは「私は話す事はないよ?」と言う。

私は言いたい事がある。

そして、訊きたい事だってあった。

人の事は言えないけど、自分の事を棚に上げたゆっこに腹が立った。
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