高熱にベッド<短&番外>


楽しくて仕方がない…といった表情の永樹さん。


近いこの距離が、私はいつまでたっても慣れなくて。
笑う余裕なんてありはしないのに。
いつだって永樹さんは何歩も私の先を悠々と歩いていて。


『那子は生粋のドMちゃんだね』

上から見下されるのも、
攻められて何も言えなくなるのも、


嫌いじゃないんだ。本当は。

でも、


「永樹さんがドSなだけです…!」


認めてしまうのが恥ずかしくて。


『うん、知ってる』

でも多分、私がどんなにそれを隠そうとしたって永樹さんにはばれてしまっているんだ。


嫌、嫌、と言う私の本音を。




乱暴なキスをこんなに虜になってしまっている事も。


永樹さんは全部分かってる。


『那子はキス上手くならないね。練習が足りないのかな』


だからこそ私に、こんな意地悪を言うんだ。


お仕置きなんて、ただの口実で。


「永っ…樹さん……」


だって分かり切ってる事でしょう?


私が永樹さん以外見れないって事。
永樹さん以上に私をこんなにドキドキさせる事が出来る人なんて存在しないって事。


だから、


「もう許して…」


お仕置きなんて止めて。
愛で感じさせて欲しいんだ。




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