高熱にベッド<短&番外>


『極力俺に嫉妬させないでね?』

唇を離して、ギリギリのところで喋る永樹さん。


その口角が吊り上がったかと思えば、

『こんなふうにされたいなら別だけど』


甘い声が鼓膜を震わせた。


「全力で気をつけます…っ」

『そ?ならいいけど』


こんな事が何度もあったら、いつの間にか心臓が破裂してしまう。

きっともう、永樹さんしか見れない。
それは前から分かってたつもりだったんだけど、今回の事で身に染みて分かったんだ。

私の心臓に突き刺さる衝動の原因は、いつも永樹さんだっと事。


『ねー俺眠い』

「へ…??ちょっ!このまま寝ないで下さいよ!!」

『那子の胸柔らかいから枕ねー…』

「……っ…!馬鹿馬鹿変態ー!!」


隠そうとしない変態はいつもだだ漏れで。
どうしようもない人だけど。


結局許してしまう私も私。



『おやすみ』


「…もう…っ」



夢の中へ行ってしまった永樹さんの体重は私にのっかかる。
だけど、全然嫌じゃなくて。
胸にのっかる頭も許してしまう。




それは、きっと永樹さんだから。





…私も本格的に変態に侵されてきている事を今になって実感し始めたのでした。






「嫉妬とキス」END.




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