ヒトノモノ



週末。



新入社員の歓迎会。



そこはオシャレな洋風居酒屋だった。



座敷と言っても、色とりどりの畳が敷かれていたり、オシャレな電灯があちこちにあったり。



「安達さん、こっちこっち!!」




同期の男の子に隣に座るように促される。




「あ・・うん。」




あたしは愛想笑いを向けた。




出来れば、端っこに座りたいんだけど・・・。




・・せめて京子が早く来てくれたら・・




京子は同期の子で、入社した時から仲良くしている子。





チラっと携帯をみると京子からメール。




【もうすぐ着くよ♪】




そのメールにホッとした。






ふと向かいのテーブルを見ると、そこには女子が群がっていた。




なに・・・?なんであんなに女の子がいるの??




「あぁ・・木村さんに女の子持っていかれちゃったなぁ・・」




「仕方ないって。木村さんだもんな。」




隣の男の子たちががポツリと言った。




「まぁ、俺らの横には同期NO.1の安達さんがいるからいっか♪」




「その通り♪これからよろしくね、安達さん♪」




「・・ハハハハ・・」










「さぁ、そろそろ始めるか!!」




部長の一声で、歓迎会が始まった。








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