『庶民♀♂御曹司』


私は無言で頷いた。


エロじじいが見ている訳ではない。


自分の決意を確かめるため・・・


_____________


一文字、一文字丁寧に書いた。


字を書くのに、かなりの神経を使った。




きちんと光芽を好きに。




きっとこの考えが甘かった。



「ふーん。もう書いたんだ」


エロじじいは机に置かれた婚姻届を手に取った。


「これでいいんだよね?」


ービリッビリッ


「ちょっ!」


エロじじいはゆっくりと婚姻届を破った。


「ふざけるなよ。
俺はこんな思いで、結婚して欲しくない」


エロじじいは私を睨むと、旅行バックを持っていた。

格好もスーツだった。


「俺はこれから出張に行って来る。
その間に荷物をまとめて、このホテルから出て行けよ」



エロじじいはそう言うと、婚姻届を床にばら撒いた。

私は床に落ちるただの紙をじっーと見ていた。

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