プラネタリウム


―――渉くんって星南高校だよね。


そう言ったとき、あの人は悲しそうな顔をした。



呆然と、驚いたような表情。





その後は覚えてないけれど。



けど、あの人はきっと失望したのだろう。














本当に最低な女だ―――。








「真央?」






はっとして顔を上げる。



そこにはさつきが仁王立ちして立っていた。



「あ、さつき…」


「なーにぼーっとしてんのよ」


「……ぼーっとしてた?」



えへ、と笑いかけると、さつきは呆れたように溜息をついた。



「最近多いわよ?何考えてるのよ」



こつんと額を小突かれる。



「痛っ。……うん、まあね…」



言葉を濁して俯いた。


すると、さつきが急に真面目な声で言った。



「あの渉って子?」



渉。




顔を上げてさつきを見る。



さつきの目はどこか悲しげだった。



「…ねぇ真央。聞いてくれる?」



真剣な目で言われて、真央は小さく頷いた。



「こんなこと言いたくないけど…。お兄さんのこと、覚えてないの?」



お兄さん。



覚えてるに決まってる。









あの人は―――。
< 15 / 25 >

この作品をシェア

pagetop