プラネタリウム


「いい?あんたのお兄さんはあんたに酷いことしたんだよ。それにあんた、星南高の奴らに襲われそうになったでしょ?あれ、お兄さんの指示だって聞いたよ。星南高の奴らは最低だよっ」



「違うっ。そんな高校とかだけで人を判断しちゃだめだよ!」



「でもあんたあの時怖くて泣いたじゃない」



「それはっ…」



売り言葉に買い言葉だ。



さつきとの喧嘩はいつもそうだ。


さつきは唯一言い合える親友だから、いつもは大人しい真央も今回だけは譲れない。



だけれど真央は痛いところを突かれて言葉に詰まってしまった。











暫くの沈黙の後。








「神楽坂さん居ます?」






おしとやかな声が聞こえたかと思うと、後ろに一人の生徒が立っていた。




「神楽坂さんにお客様ですよ」


「え?」








真央はさつきと顔を合わせた。
< 16 / 25 >

この作品をシェア

pagetop