僕らの妹


しばらく
抱きしめて
いてくれた。

久しぶりに
感じる、佑の温もり。


『ありがと。佑。』

「あぁ。
……風邪ひくから
病室、戻るぞ。」

『うん。』


私の左手を
とり、
私より
一歩先を歩く、佑。


歩きながら
佑の後ろ姿を
見て、思う。



お母さん、お父さん。
私、もう少し だけ
生きてみたいな。

二人が
せっかく くれた
命だから。

私を必要として
くれる人のために。

もう少しだけ
頑張って生きたい。


私を
もう少しだけ
見守っていてね。



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