僕らの妹


「バーカ。
柚夏は単純だから
考えてることなんて
余裕で分かんだよ!


左手で
書く練習すりゃあ
いいだろ?」

『うん。

佑、
ありがと。』

「じゃあ
俺、今日は帰るわ。

また 明日な。」

『うん。
気をつけてね。

あ。佑?』

「どした?」

『頬っぺの 傷…
ごめんなさい。』

「柚夏が
いてくれれば
それで
許してやるよ」

『ありがと。

じゃあね!』

「ん。じゃあな。

ちゃんと 寝ろよ!」

『うん。』

そう 言ってから
手を振ると、
佑も
手を振り返しながら
帰って行った。



ベットの上から
窓を眺めると
さっきまで
降っていた雨は
止んでいて、
雲の間から
僅かな太陽の光が
差している。



私の心みたい。

不意にそう思いながら
眠りについた。

< 181 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop