年下彼は手強いのです,
つまりは付き合ってたけど絢音さんの転校により一時交際をやめた…ふたりらしい。
「マジで高校こっちなんだな」
「卒業式はこっちのが思い出深いから」
「あぁ」
「にしてもあたしがいない間に何があったのかと思えば。サッカー部キャプテンだとか言うし」
「絢音のお陰でもあるんだからな。あの時…」
聞きたくない
居たくない
……………
今がどんな関係であれ、親しげに親密そうなふたりが視界に入るのが、辛い。
「あの!輝くん」
「あぁ、ごめんね。真尋ちゃん」
「全然。わたし、急用ができたみたいで、先に帰るね」
ごめんね、輝くん。でも輝くんと絢音さんの前で泣かなかったことだけが、わたしの強がり。