年下彼は手強いのです,

「一生懸命見てたよ!頑張ったよ!好きだよ!だから自分じゃないだれかと幸せになるなら…って」


やめとけよ、やめとけよ。

「じゃあ…言ってから諦めるとか言え。じゃないとおかしい」


――ほんとうは、俺が言えないんだ。


ふわりと風がすり抜けた。たまらなく悔しい。俺ならこんなに想ってやれるのに。


「…そうだけ…どっ」

「もう俺なにも出来ねえよ。真尋、」


俺が今なにかしたら、恐らく俺のなかで何かが弾けて、上手くいかなくなる。ごめん、でも……


「あとはお前次第だろ」


お前が好きだから、こうするしかないんだ。


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