年下彼は手強いのです,

「高校か」

「一年、ありがとうな。真尋」

「登駕ガラじゃないな、なんか」


こうやってゆっくり話すこともきっとできなくなるんだよなぁ。


やわらかい風がふんわりと登駕の髪を揺らす。意識したら急に目を合わせられなくなった。


「……真尋、なんですみれか解るか?」

「え?なんで?」

「すみれの花言葉、のイメージなんだよ、真尋って」


記憶をたどる。確か――すみれの花言葉は……



『小さな幸せ、純情……』

「だーもう、口に出すなよ。あえて花言葉にした意味だろ」


かなり恥ずかしいことしたな、と赤くなってそっぽを向く登駕。


「ありがとう!」


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