年下彼は手強いのです,
「やっぱり好きなやついるんだ?」
「い、いますけど…」
「誰?」
「多田くんが知らない人…だから…」
そっかーと不満足そうな多田くん。登駕のことを話すわけにはいかない。
「まぁいいけどさ。ところで浜崎さんこのすみれ大事にしてるよね」
「わたしの特別な花だからかな」
「大事な…?」
「うん、大事な人から貰ったの」
答えても返事がなくなったので、どうしたのかとすみれから顔を上げたら、口を緩めた。
「そういう顔初めて見た」
「えっ」
「心底幸せそうな顔」
自覚がないのでペタペタ触っていたら、苦笑されてしまった。すると多田くんは急に怪訝な顔になり、しかしすぐに口元を緩めた。
「すごい形相の人がいる。その大事な人かもみたいだから、帰るわ」