年下彼は手強いのです,
「なんですか」
目の前の意地悪後輩はニヤリとニヒルに笑う。なにかを企んでいる表情だ。
「取引しません?真尋さん」
「取引?」
「俺、タダで聞いたんじゃないんすよ。だから手伝ってやるよ」
フッと息を吐くと少し考え始め、答えを導き出したのかまた目をあわせる。
「俺が、真尋とキャプテンが上手くいくように手伝う」
「――えっ」
「同じ部活の後輩なんて。都合良いポジションにいません?俺」
自負すんのかい。しかし嬉しいことは違いない。わたしは声を上げる。
「登駕が、いいんなら」
「言ったな?じゃあ決まり」
顔をほころばせているとすぐに現実に突き落とす悪魔がここに。