年下彼は手強いのです,

「そうか。戸締まりだけはちゃんとな」


チャリンと鳴らされた部室の鍵。それを受けとりながら礼を言った。



§



「んじゃーオレからボール取ってみるんだな」


ニッと笑った逞磨。部活終わりのグラウンドでふたり。


ってかマジで練習すんのかよ。俺はてっきり話でも聞いてくれんのかな…と。期待するだけ無駄か。逞磨だし。


「オレから取れるかねえ?」となんだか楽しそうな逞磨。


「不調だからって調子のんなよ」

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